常陸秋そばの発祥・由来について


常陸秋そばとは

常陸秋そばとは
「常陸秋そば」といえば、茨城県が全国に誇るブランド品種。香り、味わいに優れ、今や"玄そばの最高峰"といわれる品質を誇っています。「常陸秋そば」の魅力は、なんといってもその粉の力強さ。風味豊かで、通を唸らせる逸品です。

常陸秋そばの由来

茨城県は、そばの収穫量が北海道に次ぐ第2位となっており、日本の蕎麦消費を支える一大産地となっています。この茨城県で作られているほとんどが「常陸秋そば」です。
「常陸秋そば」は、常陸太田市(旧金砂郷町の赤土地区)の在来種を親として、3年余りの歳月をかけ、厳しい選抜育成と種子の管理によって磨きあげられたものです。古くから茨城のそばは質の高さで知られていますが、粒ぞろいのよさはもちろんのこと、香りの高さと甘みに優れているのが「常陸秋そば」の特長です。そば職人や全国のそば通からも高い支持を得ており、県内で栽培されるほぼ全てを「常陸秋そば」が占めるまでになりました。一方、そばは他花受粉植物のため品種の交雑が起こりやすく、「常陸秋そば」の優れた性質を守っていくために、厳密な種子の管理が現在も続いています。

常陸秋そばのつけけんちんそば

つけけんちん
茨城県北部地域に伝わるそばは、もともと冬場に食べる主食でした。そばといってもザルに盛った、あるいは出汁にいれたような食べ方ではありません。「つけけんちん」と呼ばれ、具沢山の汁に太目のそばをつけて食べるものです。秋の農産物、ネギ、大根、ごぼう、こんにゃく、ニンジン、シメジ、芋がらなどが使われます。野菜類を油と味噌で炒め、かつおと昆布の出汁で煮て、醤油とみりんで味付けをします。  歯ごたえよく、香りよく、そしておなかの底からからだ全体が温まります。体に優しく、とってもおいしい里山のご馳走は、今でも茨城県北地域の郷土料理として、みんなの生活の中に息づいています。

常陸秋そばの里のそば街道

常陸太田市は、江戸時代からそば作りが盛んで、水戸光圀公も隠居されてから自らそばを打ったとされています。そのそばのふるさと常陸太田市には、金砂郷そば街道、水府そば街道、里美そば街道と3つのそば街道があります。その中でも金砂郷そば街道には、その道しるべとして、表情豊かな石彫刻が置かれています。そばの花などの特産品や西金砂神社大例祭の様子、十二支など、歴史や文化がモチーフの石彫刻が並ぶ「そば街道」。全38体の彫刻は、大半が県道36号線金砂庵西金砂神社沿いにあり、そば街道の金砂郷の歴史・文化を紹介するもので、そばに関する彫刻・干支の彫刻などがかたどられています。
そば街道